コンフィグ管理
コンフィグ管理
1. 機能概要
本製品では、以下のコンフィグを使用して設定値を管理します。
コンフィグの種類 | 説明 | 可能なユーザー操作 |
---|---|---|
ランニングコンフィグ(running-config) |
現在動作中の設定値。RAM上で管理する。 |
参照 / スタートアップコンフィグへの保存 |
スタートアップコンフィグ(startup-config) |
保存した設定値。ROM上の5つのコンフィグとSDカード上の1つのコンフィグを管理する。 |
参照 / 消去 / コピー |
デフォルトコンフィグ(default-config) |
デフォルトの設定値。ROM上で管理する。 |
操作不可 |
2. 用語の定義
特になし
3. 機能詳細
3.1. ランニングコンフィグ
running-configは、現在動作中の設定で、RAM上で管理しているため再起動すると破棄されます。
本製品では、コンフィギュレーションモードで実行したコマンドは、即座に running-config に反映され、設定した通りに機能します。
running-configの内容は、 show running-config コマンド で参照できます。
3.2. スタートアップコンフィグ
startup-configは、Flash ROM内もしくはSDカード内に保存された設定で、再起動しても内容は保持されます。
本製品を起動すると startup-config の設定が runnning-config の初期設定として展開されます。
本製品では、 Flash ROM上の5つのスタートアップコンフィグとSDカード上の1つのスタートアップコンフィグを管理できます。
本体 Flash ROM 内の startup-config は、 0 - 4 の ID で、SDカード内のコンフィグは sd というキーワードで管理します。
本体Flash ROM内の5種類のコンフィグからどのコンフィグを使用するかは、ユーザーが startup-config select コマンドで設定します。
-
デフォルトは sd を使用します。
-
startup-config select コマンド実行時、再起動するか否かをユーザーが選択します。再起動しない場合、コマンド設定に変更はありません。
再起動を選択した場合、ユーザーがコマンド設定したIDのstartup-configで起動します。
Rev.2.02.09以前のファームウェアからRev.2.02.10以降のファームウェアに更新する場合、 startup-config select 0 が設定されていると、自動的に startup-config select sd に変更されます。
そのため、CONFIGを保存したmicroSDカードを挿入して運用している場合、SDカードブートが行われてしまうため、注意が必要です。
Rev.2.02.10以降のファームウェアでstartup-config selectコマンドを実行した後、Rev.2.02.09以前のファームウェアにリビジョンダウンした場合はその限りではありません。
各コンフィグには 管理をしやすくするために、 startup-config description コマンドで Description (説明文) を付加することができます。
cold start コマンド実行後など、startup-configが存在しない状態で起動しようとしたとき、自動的にdefault-configが適用されます。
running-config の設定は、 copy running-config startup-config コマンド、または write コマンドで startup-config に保存します。
startup-config の内容は、 erase startup-config コマンドで破棄、 show startup-config コマンドで参照、 copy startup-config コマンドでコピーができます。
3.3. デフォルトコンフィグ
default-config は、本体Flash ROMに保存された本製品がスイッチとして最低限動作するための設定で、startup-config 同様、再起動しても内容は保持されます。
工場出荷時の設定は、default-config で管理します。
システム起動時、startup-config が存在しない場合、 default-config が startup-config にコピーされ、running-config に展開されます。
default-config の内容は、参照することはできません。
3.4. 起動時のコンフィグファイルの決定
本製品の起動時のコンフィグファイルを決定する流れは以下のとおりです。
-
startup-config select コマンド設定値を参照し、使用する startup-config を決定する。
startup-config select コマンドで sd が設定されていて、startup-configが保存されているSDカードが挿入されていなかった場合、startup-config #0 が選択される。 -
決定した startup-config が存在する場合、該当データをRAM上に running-config として展開する。
startup-config select コマンド設定値にしたがって決定した startup-config がROM上に存在しない場合、default-config をRAM上に展開する。
SDカード内のコンフィグを使用した起動に失敗した場合、以下のメッセージがコンソールとSYSLOGに表示されます。
Loading config0 because can't read config in SD card.
3.5. TFTPによるコンフィグファイルの制御
本製品では、TFTPサーバー機能を有効にすることで、PC などのリモート端末にインストールされた TFTP クライアントを使用して、以下を行うことができます。
-
稼働中の running-config、startup-config を取得する
-
予め準備した設定ファイルを、startup-config として適用させる
TFTPサーバーを正常に機能させるためには、 VLAN に対して IP アドレスが設定されていることが条件となります。
リモート端末からの設定ファイルの取得/設定は、バイナリモードで行い、設定ファイルの取得先/送信先のリモートパスとして、以下を指定します。
また、リモートパスの後ろに"/PASSWORD"という形式で管理パスワードを指定してください。
管理パスワードが初期設定の状態では、コンフィグファイルの取得および設定を受け付けることはできません。前もって管理パスワードを変更する必要があります。
なお、startup-configの設定は、システム再起動後に running-config として適用されます。
対象CONFIG | 対象ファイル | リモートパス | 取得(GET) | 設定(PUT) | 自動再起動 |
---|---|---|---|---|---|
running-config |
CONFIGファイル (.txt) |
config |
○ |
○ |
- |
startup-config # 0 |
CONFIGファイル (.txt) |
config0 |
○ |
○ |
- |
すべての設定 (.zip) |
config0-all |
○ |
○ |
- |
|
startup-config # 1 |
CONFIGファイル (.txt) |
config1 |
○ |
○ |
- |
すべての設定 (.zip) |
config1-all |
○ |
○ |
- |
|
startup-config # 2 |
CONFIGファイル (.txt) |
config2 |
○ |
○ |
- |
すべての設定 (.zip) |
config2-all |
○ |
○ |
- |
|
startup-config # 3 |
CONFIGファイル (.txt) |
config3 |
○ |
○ |
- |
すべての設定 (.zip) |
config3-all |
○ |
○ |
- |
|
startup-config # 4 |
CONFIGファイル (.txt) |
config4 |
○ |
○ |
- |
すべての設定 (.zip) |
config4-all |
○ |
○ |
- |
|
startup-config # SD |
CONFIGファイル (.txt) |
configsd |
○ |
○ |
- |
すべての設定 (.zip) |
configsd-all |
○ |
○ |
- |
設定ファイルを適用後、自動的にシステムを再起動させたい場合は、以下のリモートパスを指定します。
現在稼働しているコンフィグが適用対象となります。
対象CONFIG | 対象ファイル | リモートパス | 取得(GET) | 設定(PUT) | 自動再起動 |
---|---|---|---|---|---|
現在稼働している startup-config |
CONFIGファイル (.txt) |
reconfig |
- |
○ |
○ |
設定ファイルを適用(PUT)するとき、対象CONFIG、および、対象ファイルの種別が正しいことを確認してください。
誤ったファイルを指定すると正しく反映できません。
running-configの場合は、設定ファイルの先頭に以下を追記する必要があります。
! ! Switch Configuration !
4. 関連コマンド
関連コマンドについて、以下に示します。
詳細は、コマンドリファレンスを参照願います。
操作項目 | 操作コマンド |
---|---|
ランニングコンフィグの保存 |
copy running-config startup-config |
ランニングコンフィグの保存 |
write |
スタートアップコンフィグのコピー |
copy startup-config |
スタートアップコンフィグの消去 |
erase startup-config |
スタートアップコンフィグの表示 |
show startup-config |
スタートアップコンフィグの選択 |
startup-config select |
スタートアップコンフィグの説明文の設定 |
startup-config description |
5. コマンド実行例
5.1. スタートアップコンフィグの選択
startup-config #1を選択して再起動する。
Yamaha#startup-config description 1 TEST (1) Yamaha#startup-config select 1 (2) reboot system? (y/n): y (3)
1 | startup-config #1に"TEST"と説明文を設定 |
2 | startup-config #1を選択 |
3 | 再起動する |
5.2. ランニングコンフィグの保存
running-configを保存する。
Yamaha#copy running-config startup-config Suceeded to write configuration Yamaha#
5.3. スタートアップコンフィグのコピー
startup-config #2 を SDカードへコピーする。
Yamaha#copy startup-config 2 sd (1) Suceeded to copy configuration Yamaha#show startup-config sd (2) ! ! Last Modified: Tue Mar 13 17:34:02 JST 2018 ! dns-client enable ! interface port1.1 switchport switchport mode access no shutdown ! ...
1 | startup-config #2 を SDカードへコピー |
2 | SDカードのstartup-configを表示 |
5.4. スタートアップコンフィグの消去
SDカードのstartup-configを消去する。
Yamaha#erase startup-config sd (1) Suceeded to erase configuration Yamaha#
1 | SDカード内のstartup-configを消去 |
6. 注意事項
特になし