IPv4/IPv6共通設定

IPv4/IPv6共通設定

1. 機能概要

本製品は、主に保守 (スイッチの設定操作) を行うために 以下に示す IPv4/IPv6ネットワーク共通の環境設定 に対応します。

  1. DNS クライアントの設定

  2. 等コストマルチパスの設定

2. 用語の定義

特になし

3. 機能詳細

3.1. DNS クライアントの設定

本製品は、 DNS (Domain Name System)クライアント に対応します。
NTPサーバー、Syslogサーバーなどに FQDN (Fully Qualified Domain Name) が設定されている場合にDNS サーバーに問合せを行うことでIPv4/IPv6アドレスを取得します。

本製品は、DNSクライアントの制御機能として、以下を提供します。

  • DNS サーバーのIPアドレス設定

  • デフォルトドメイン名の設定

  • 検索ドメインリストの設定

なお、DNS サーバーへの問い合わせは、初期状態で 有効 となっており、 dns-client enable/disable コマンドで設定を変更することができます。

3.1.1. DNS サーバーのIPアドレス設定

DNS サーバーのIPアドレスは、以下の方法で 最大3件 まで設定することができます。

  • dns-client name-server コマンドによる手動設定

    • IPv4/IPv6アドレスを設定することができます。

  • DHCPによる自動設定

    • 複数の場合は、デフォルトゲートウェイの値が最も大きいものが優先。

  • DHCPv6による自動設定

    • 複数の場合は、最新で取得したものが優先。

    • DHCPv6で通知されたアドレスがリンクローカルアドレスの場合は設定されない。

  • DHCP、DHCPv6 の両方が使用されている場合は、DNSサーバーのアドレスを取得したときに、お互いの設定は上書きされる。

本製品では、 コマンドで設定した情報を必ず優先的に扱います
設定されているDNS サーバーは、 show dns-client コマンドで確認します。

3.1.2. デフォルトドメインの設定

デフォルトドメインは、以下の方法で 1件のみ 設定することができます。設定可能な最大文字数は 256文字 です。

  • dns-client domain-name コマンドによる手動設定

  • DHCPによる自動設定

    • 複数の場合は、デフォルトゲートウェイの値が最も大きいものが優先。

本製品では、DNS サーバー のIPアドレスと同様、 コマンドで設定した情報を優先的に扱います
設定されているデフォルトドメインは、 show dns-client コマンドで確認します。
なお、デフォルトドメイン名の利用は、検索ドメインリストに登録がない場合に限定されます。

3.1.3. 検索ドメインリストの設定

本製品は、DNS問い合わせ時に使用するドメイン名を、検索ドメインリストで管理します。
ドメイン名は、検索ドメインリストに以下の方法で 最大6件 まで設定することができます。

  • dns-client domain-list コマンドによる手動設定

  • DHCPv6による自動設定

    • 複数の場合は、最新で取得したものが優先。

本製品では、DNS サーバー のIPアドレスと同様、 コマンドで設定した情報を優先的に扱います
設定されている検索ドメインリストは、 show dns-client コマンドで確認します。
なお、検索ドメインリストは、 登録するすべてのドメイン名の文字数の合計を256文字以内に収める必要があります

3.2. 等コストマルチパスの設定

本製品は、以下の機能において 等コストマルチパス に対応します。

  • IPv4 スタティックルーティング

  • IPv6 スタティックルーティング

  • RIPv1, RIPv2, RIPng (対応機種のみ)

  • OSPFv2, OSPFv3 (対応機種のみ)

同一の宛先への経路がRIBに複数登録されている場合に、それらの複数の経路がFIBに反映されます。
同一の宛先への経路を 最大8経路 までFIBに登録することができます。初期設定では 4経路 となります。
等コストマルチパスの登録可能数は maximum-paths コマンドで変更することができます。
設定変更後は再起動するまで実動作には反映されません。

等コストマルチパスの宛先に対するロードバランスのルールの設定には、 port-channel load-balance コマンドを使用します。
port-channel load-balance コマンドによるロードバランスのルールの設定は、リンクアグリゲーションの動作にも影響するため変更する場合は注意が必要です。

4. 関連コマンド

関連コマンドについて、以下に示します。
コマンドの詳細は、コマンドリファレンスを参照願います。

機能種別 操作項目 操作コマンド

DNS クライアントの設定

DNS クライアントの設定

dns-client enable/disable

DNS サーバーアドレスの設定

dns-client name-server

デフォルトドメインの設定

dns-client domain-name

検索ドメインリストの設定

dns-client domain-list

DNSクライアント情報の表示

show dns-client

等コストマルチパスの設定

等コストマルチパスの登録可能数設定

maximum-paths

等コストマルチパスの登録可能数表示

show ip route summary

show ipv6 route summary

ロードバランス機能のルールの設定

port-channel load-balance

5. コマンド実行例

5.1. DNSクライアントの設定

本製品にDNSクライアントの設定をして、DNS問い合わせを行う環境を整備します。

  • DNS問い合わせ先のサーバーのIPアドレスを 192.168.100.1 と 192.168.100.2 とします。

  • DNS問い合わせ時に使用するデフォルトドメインを example.com とします。

■設定手順

  1. DNSへの問い合わせ機能を有効にします。

    Yamaha(config)#dns-client enable
    • 初期値として設定されているため特に設定する必要はありません。

  2. DNSサーバーを設定します。

    Yamaha(config)#dns-client name-server 192.168.100.1
    Yamaha(config)#dns-client name-server 192.168.100.2
  3. デフォルトドメインを設定します。

    Yamaha(config)#dns-client domain-name example.com
  4. 設定したDNSクライアント情報を確認します。

    Yamaha#show dns-client
    
    DNS client is enabled
     Default domain  : example.com
     Domain list     :
     Name Servers    : 192.168.100.1 192.168.100.2
    
     * - Values assigned by DHCP or DHCPv6 Client.

5.2. 等コストマルチパス

等コストマルチパスの登録可能数を5に変更します。
また、ロードバランスのルールとして送信元IPアドレスと送信先IPアドレスを使用します。

  1. 等コストマルチパスの登録可能数設定

    Yamaha(config)#maximum-paths 5
    % System Reboot is required for new Maximum-Path value to take effect.
    • 設定を反映させるためには再起動が必要です。

  2. ロードバランスのルールとして送信元IPアドレスと送信先IPアドレスを設定

    Yamaha(config)#port-channel load-balance src-dst-ip
  3. 現在の等コストマルチパスの登録可能数を確認します。

    Yamaha(config)#show ip route summary
    IP routing table name is Default-IP-Routing-Table(0)
    IP routing table maximum-paths   : 5
    Route Source    Networks
    connected       3
    rip             2
    Total           5

6. 注意事項

特になし

7. 関連文書

特になし